「委員長はいつもまっすぐだからな」
まっすぐだから……?ますます意味がわからない……。
というか、懐くってっ……。
「教師が生徒口説いてんじゃねーぞ」
後ろから低い声が聞こえて振り返ると、高良くんがいた。
いつも職員室の前で待ってくれているから、高良くんが入ってきたことにびっくりした。
何かとんでもない勘違いをしているのか、鋭い目で先生を睨んでいる高良くん。
「お、お前、何言ってるんだ……!他の先生に誤解されたらどうするんだ……!」
先生も、高良くんの発言に顔を青くしていた。
困らせてしまったことを、心の中で謝った。
「もう用済んだだろ。まーや、いこ」
声色を変えて、優しい響きで名前を呼ばれる。
「は、はい。先生、さようなら」
挨拶をして、ふたりで職員室を出た。