高良くんを見ていた人たちが、困惑の声をあげていた。

ざわつく室内に、私はひとりパニック状態になる。



「あー、好きだー……」



高良くんは、耳元で囁いた。

抱きしめられていることとその告白に、私の顔は真っ赤に染まった。



「た、高良くん……!み、みんなが見てますっ……!」

「慣れてるから平気」



こ、これはちょっと違うと思うっ……!

じたばたと身をよじると、高良くんは諦めたように放してくれた。



「俺も今、すっげー楽しい」



本当に幸せそうに笑うから、何も言えなくなってしまった。

高良くんが楽しいなら……よ、よかったっ……。


初めての猫カフェは、楽しい思い出と恥ずかしい思い出でいっぱいになった。