【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

私に付き合わせて、高良くんが嫌な思いをするのだけは避けたい。

高良くんにはいつだって、楽しませてもらっているから……。



「え?あー……」



私が考えていることがわかったのか、気まずそうに眉をひそめた高良くん。



「ごめん。嫌だった?」

「ち、違います……!私は、高良くんが嫌だったら嫌だなって思ってっ……私は、とっても楽しいです!」



そう伝えると、高良くんは安堵の息を吐いて「よかった……」とつぶやいた。



「気にしなくていいよ。慣れてるし」




そう言った高良くんの表情に、諦めのようなものが見えた。



「今更だけど、これ地毛なんだよ。不良とか言われてるのも知ってるけど……自分から喧嘩売ったことないし」



そうだったんだ……。

でも、薄々気づいてた。高良くんの噂は友達がいない私ですらたくさん聞いていたけど、私の前の高良くんは噂とは真逆だったから。