まだ何か言いたそうだったけど、じっと見つめると、諦めたのかこくりと頷いた真綾。



「あ、ありがとうっ……とっても嬉しいっ」



ココア一つでこんなにも幸せな顔をするなんて、真綾ほど慎ましやかな人間に出会ったことがない。

きっと自分から、何かをねだるようなことはしないんだろうと思った。


だからこそ……真綾に求められてみたい。


俺が欲しいって、いつか絶対に言わせてみせる。

真綾が望めば、俺は全部真綾のものだから。

望まれなくても……もうまーやのものだけど。