こうやって俺の行動を全部許してくれるところも、変なやつに騙されそうで心配だけど。

……実際、変な奴に執心されてたし。


真綾への愛おしさが、溢れて制御できない。

昨日より、今朝より、さっきより……真綾のことを好きになっている自分がいた。

屋上に連れて行っただけであんなに喜んでるし……そんな無邪気な姿を見せられたら、どこにでも連れて行ってやりたくなる。

真綾は、カラオケにもゲーセンにも行ったことがないらしい。絶滅危惧種か天然記念物かなんかだ。

俺が全部連れて行ってやるからなと思いながら、頭を撫でた。







予鈴が鳴って、ふたりで教室に戻った。



「まーや、水買ってくる」



5限目が終わって、喉が渇いて立ち上がった。



「はい、いってらっしゃい」



笑顔の真綾に、心臓が高鳴った。

可愛い……いってらっしゃいって、結構破壊力あるな。