天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~




「今日のご飯は兎の鍋にしようかしら?」

「なっ、何を言うのだっ。ちょっ。こっちに来るなー!」


ピョンピョン跳ねる兎を笑って追いかける。


兎月のおかげで私は少しずつ明るさを取り戻してきた。


鈴蘭を世話し兎月と茶を飲み語る…のどかな生活だ。


皇子宮で過ごすうちに白蘭と兎月の仲は縮まった。


紅蓮を失くした白蘭と、月影を失くした兎月。


お互いの孤独を埋め合わすように支えあった。


そして二人は次第に悩みを相談するようになった。


「月影様はもう天帝だし、優秀な気鋭もついている…兎月のことなんてもういらないのだ」

「兎月…。そんなことないわ。月影も天帝になったばかりだもの。落ち着いたらきっと迎えに来てくれるはずよ」

「そうだろうか…」

「そうよ!月影は優しいものっ。今は余裕がないだけよ」

「そうだな…」


兎は小さな前足で涙を拭いた。