天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

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【天界】


天后宮から逃げだした白蘭は皇子宮で暮らしていた。


私の気持ちを知ってくれているのか、月影は何も言わず侍女も来ない。


ただ毎日気づかぬうちに宮の前に食事と衣、その他生活に必要な物が置いてあるだけだった。


その優しい気遣いがとてもありがたかった。


「兎月、簪さしてくれない?」

「なぜ私がしないといけないのだ」

「たまにはいいじゃないっ。お茶とか淹れてあげてるでしょう?」


やれやれと兎は思い切り飛び跳ねると頭突きで簪を押し込んだ。


「痛い!ちょっと、兎月っ」

「兎月だって痛かった!」

「女子には優しくしないと駄目でしょう!?」

「白蘭を女子だと思ったことは一度もない!」

「…なんですって?」


生意気な兎に白蘭は意地悪く口角をあげた。