コクリと紅蓮は頷いた。
「そうか…ならば戦は避けられん」
「しかし!」
「私情はもう捨てるのだ。魔后が天帝に殺されたと知れば魔界の者は黙って見ているわけにはいかないだろう」
「しかし…今の魔界では天界に勝てるでしょうか?」
「勝算は低いな。だが戦に備えなければ。もし天界が攻めてきたら…その時はもう私情を捨て覚悟を決めるのだ…よいな?」
「…はい」
魔帝は紅蓮の肩をたたき庭を出て行った。
戦になる…。
何度も戦神として出陣してきた。
朱雀もいなく、挙句の果てにその相手が月影とはな。
父上の言う通りだ。戦になれば民は苦しむ。私はそれを黙って見ている訳にはいかない。
新月の時に月影に告げたように戦神として責務を果たそう。
そう心を決め紅蓮も虹彩樹の庭を後にした。


