あてもなく歩いていると月影がこちらに向かい歩いてくるのが見えた。 「白蘭」 私を見つけると笑顔になった。 「「「天帝陛下にご挨拶を」」」 月影が白蘭の目の前までくると控えていた侍女が皆、礼を尽くした。 「…」 そうだ。天帝になったんだものね。 「…私も天帝と呼ぶべきかしら」 聞くと月影は穏やかな笑顔で言った。 「月影のままでいい。そなたにはそう呼ばれたい」 『「紅蓮。白蘭にはそう呼ばれたい」』 同じような言葉を言われたことがあるのを思い出し、すぐに頭の中から消した。 「…わかったわ」