美しい龍はしばし天女がくる間、桜を愛でて待った。 「陛下…」 「どうした?」 気鋭が呆けた顔をして声をかけてきた。聞くも返事がなく視線をたどると白蘭が宮に向かってきていた。 薄い桜色の衣に銀の髪飾りをつけ、肌は白く艶やかな長い黒髪を風が撫でる。 そして純白の翼が光に照らされてキラキラとより一層輝いていた。 真の姿を得たからか白蘭は以前にも増して美しかった。 「綺麗だ…」 「そうですね…」 気鋭が呆けるのも無理はない。 侍女に案内され宮に入ってくる白蘭を月影は笑って迎え入れた。