ある日、紅蓮が何かに気づいたようだ。 「ん?」 「どうしたの?」 「結界の外に何か…」 「もしかして王都の衛兵?」 追いかけてきたのだろうか。あの時を思い出し動悸がした。 そんな白蘭の手を紅蓮は握り安心させた。 「いや。衛兵ではない。小さな訪問者だ」 「?」 結界を一部開けると小さな兎がこちらにやってきた。 「兎だわ。可愛い」 白蘭が兎を持ち上げようとしたところ、すばやく横に避けられた。 「まったく白蘭は相変わらずだな。兎月に触るなっ」 兎がしゃべったことに目を丸くした。