母上の扇子を開いては閉じる。 乳母である雪梨に育てられはしたが、魔后は実の母だ。 私の味方をし魔帝に逆らった時はいつも私を庇ってくれた。少々、過保護なところはあったがそれも含めて呆れはしたが嫌いではなかった。 家族を亡くすということはこのように辛いものなのだな…。 白蘭も同じ思いをした。 しかも、八咫烏一族を殺したのは他でもない私の父上だ。 どれだけ複雑な思いであったか…。 紅蓮は一息ついた。 「紅蓮様。お茶をお持ちしました」 「ああ。ありがとう。雪梨」