返事をすると雪梨は紅蓮の手を握った。 「気をたしかに持つのですよ」 「…ありがとう雪梨」 雪梨と別れ魔后宮の部屋の前で一息つくと中に入った。 部屋の中では魔帝が一人で立っていた。 「父上…」 「戻ったか。紅蓮」 父の声は落ち着いていた。 妻を突然亡くしたにも関わらず、その落ち着きようは魔帝の地位から来るものだろうか。 「魔后が死んだ」 「…」 「殺されたのだ」 母上の部屋は数多くの装飾品が燃え黒く焦げていた。 殺害によるものだとすぐに分かった。