天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



紅蓮と月影だ。


激しく傷つけ合いながら空を翔ける二人。

龍が鳳凰を捕まえ締め上げると鳳凰は暴れ龍の鱗を剥いだ。

お互いの苦しむ声は地を揺らすほどの咆哮で、おもわず白蘭は耳を塞いだ。

真の姿で争う二人はまるで獣のようだった。


「紅蓮!月影!」


近づき二人の名を呼ぶも気づいてもらえない。

すぐに火炎術と水系術の争いに移行し、激しく術が当たるたびに爆発が起こる。


なんて威力…これが天帝と魔帝の戦争なの…?


突風に飛ばされないようにするだけで精一杯だ。


「月影…」

「紅蓮…」


真の姿を解き人に戻った二人は対峙する。

二人共血まみれだ。

その眼光は鋭くお互いを睨みつける。

紅蓮は手の平に黒い炎を集めた。黒鳳炎だ。

そして月影は雨を降らせ雷を手の平に呼び寄せた。