天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

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「ふふっ」

「魔帝陛下?」

「ああ。すまない続けてくれ」


数日前の白蘭を思い出し、つい朝議の間にも関わらず笑みが漏れた。

【魔帝の夜は激しい】

そのことが今、侍女の間で噂になっているらしい。

白蘭には怒られたが紅蓮にとっては好都合だった。

天女になった白蘭は美しすぎる。

すれ違う神々がいちいち振り返る。

しかもそれを本人が気付いていないのが更に厄介だ。誰にでも優しく話しかけるから勘違いする神も多くいる。

だが、この噂が回ったことで少しは落ち着くだろう。

朝議が終わると神々に軽く挨拶し紅蓮は白蘭に会いに行く。


「白蘭」

「紅蓮…朝議は?」

「終わった」


笑う白蘭が愛しい。

そんな白蘭をもっと喜ばせたくて密かに計画していたことを話した。


「白蘭、婚姻を行おう」

「婚姻?」