白蘭が何か言う前にゴトンッと音がし先ほど寝ていた場所がなくなった。
半分になった寝台で紅蓮が笑った。
「これで、寝台は狭くなったな。くっついて寝よう」
「…」
本当に魔帝の力の使い道間違っているわ…。
もう紅蓮には敵わない。
白蘭は紅蓮の胸に顔をうずめると眠りについた。
「ん…」
次の日、起きると紅蓮の姿は無く、代わりに侍女が魔帝宮の外から声をかけてきた。
紅蓮は朝議に向かったのね…。
ボーっとする頭で侍女に入室を許可すると、入ってきた侍女達が目を丸くした。
何をそんなに驚いているの…。
視線を追うと、そこには床に落ちる魔帝と私の衣。そして簪は放り出され寝台は半分に壊れている。
いやぁあああっ!!!
昨日の事を思い出し、白蘭は侍女の前で赤面し顔を覆った。
その後、魔宮では魔帝の夜は激しいという噂が出回り白蘭はしばらくの間、魔帝宮から出られなかった。


