天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



恥ずかしいにも程がある。今後、雪梨様や香林たちにどんな顔して会えばいいのよ。


「機嫌を直せ。白蘭」


それなのに、この紅蓮という男は「満足しました」というようにヘラヘラと笑っている。

この人に恥はないのか。


「まだ怒っているのか。私の愛は一度や二度くらいでは…」

「あー!もう静かにして、これ以上恥ずかしい言葉は言わないで」


想いが通じてから歯の浮く言葉ばかり…心臓が持たないったら、ありゃしない。


「白蘭。そんなに端で寝ていたら風邪を引くぞ」

「風邪ひかないってば」

「そんなこと言うな。くっついて寝よう」

「何言ってるのよ。今まで散々くっついていたでしょう…」


勢いに任せて言ったが、恥ずかしくなり語尾が小さくなる。


「魔帝の寝台は広いんだから端で寝ても問題ないわ」


取り繕うように言葉を繋げると、紅蓮が私の腰に手を伸ばし引き寄せた。