「追い出すことはないじゃない…感動の再会だったのに」

「私との再会は感動ではなかったと?」


紅蓮が眉を吊り上げる。


「もう魔帝なのに、なんだか子供になったわね」

「そなたが大人になりすぎたのだ」

「…この烏妖怪が」

「なんだとっ」


紅蓮はこういうところは何も変わらない。皇太子の時も自分の身分の高さ関係なく接する。

白蘭には勝てないと思った紅蓮が、ため息をつくと彼女を寝台に座らせ真剣な面持ちで聞いてくる。


「…それより何故、こんなにも力が弱くなっている」


いつかは聞かれると思っていた。


「そなたは天女と鬼神の子だろう。ここまで法力が低いわけがない。翼が黒くなったと朱雀が言っていた。それの影響か?それとも私を助ける対価に払ったのか?」


対価に命を…なんて言ったら紅蓮はまた悲しむわ。

白蘭は愛する人に優しい嘘をついた。


「違うわ。紅蓮。羅刹は私が天女だから無対価で救ってくれたわ。翼が黒くなったから力が弱くなっているだけよ」

「天女の翼が黒くなるのは命に関わることでは…?」