「だから許婚の話は破棄にしてほしいの」 「…なぜだ?」 「他に好きな人がいるの。その人とじゃなきゃ婚姻は出来ない」 「誰だ?」 …まさか。 ドクンドクンと鼓動が早くなった。 嫌な思いはいつかの新月の日を思い出させた。 「紅蓮よ」 「…」 「彼を愛しているの…ごめんなさい。月影」 「駄目だ…」 「月影…」 月影はゆっくりと立ち上がり白蘭に近づく。