天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

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【天界】



「うわあっ」

「きゃあっ」


白蘭と兎月は月影の結界に立ち向かっていた。

何度、策を講じても破れることは無く跳ね飛ばされてばかりだった。

白蘭はため息をついて部屋の前に座った。


「明日になったら私は月影と婚姻しないといけないわ」

「そんなっ…」

「どうしよう…兎月…」


落ち込む白蘭に兎月は、話した。


「一つだけ方法がある…」

「本当に!?」

「兎月の二千年分の法力を使う」

「そんなことできるの?」

「出来る。でもこれをやったら兎月は話せなくなる」

「え?…じゃあ駄目よ」


兎月は二千年かけてやっと話せるようになったのだ。それを奪えはしない。

しかし兎は決心したように言った。