「とにかく兎月は強くなったのだ」

「そうね。兎月は努力家だものね」


兎に白蘭は微笑んだ。


「これからどうする?」

「まずはここを出て、氷輪を助けた後に三人で人間界で暮らす。人間界なら月影も手出ししないはずよ…どう?」

「そうだな!…でも」

「何か不満でもあるの?」


嬉しそうに言った後に兎月はすぐに顔を曇らせた。訳を聞こうとする白蘭にしばらく言うか迷った後、兎月は意見を口にした。


「白蘭は…魔界の鳳凰と一緒にいろ」

「え?」

「白蘭と共に過ごしてわかったのだ。白蘭は紅蓮といるのが一番幸せだ。兎月はどれだけ白蘭が鳳凰を好きか知っている。もう離れない方がいい」

「兎月…」

「飽きるまで側にいて、飽きたら兎月のところに来ればいい。その時はまた兎月の毛皮を撫でさせてやる」


兎月の言う通りだ。私の寿命は残り少ない…憎まれても紅蓮の側にいたい。


「わかったな?」

「うん。ありがとう。兎月」


それから二人で結界を解く方法を考えた。