天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



受け取った赤い羽を大事そうにしまう白蘭を見て、月影は不審に思った。


「…気に入っているのか?」

「ええ」

「…そうか」


複雑な気持ちで返事をする。


…記憶を失くしているんだよな。そうだ。白蘭は何もわかっていないのだ。


食事が終わり二人で茶を飲んでたわいもない会話をして過ごした。


そしてしばらく沈黙が訪れた。


月影は白蘭をいつ真の姿に戻すのか考えていた。天帝である月影はそう長く天界を空けてはいられない。


どう話せば、怖がらせず理解してもらえるだろうか。


先に沈黙を破ったのは白蘭だった。


「…月影。大事な話があるの」

「なんだ」

「私は大怪我を負い記憶を失くした。そんな中、月影は何年も一緒にいてくれたわ…本当に感謝しているの」

「ああ。そのことか。当たり前のことをしただけだ。そなたが気負う必要はない」