天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



「よくもそのようなでたらめを!!白蘭、私の話を聞いてくれ!!!」

「白蘭、私の話が本当よ!」


二人の言葉にさらに戸惑う白蘭。


玲心は密かに笑みを浮かべ衣の裾から凶器をだし油断した白蘭の首元に刃を突き立てようとした。


「玲心!!」


それに気づいた紅蓮が玲心の刃を火炎術で燃やした。そこで血の盟約が発動した。


約束を破って白蘭を攻撃しようとした玲心を早くも盟約が殺しにかかる。


いきなりもだえ苦しむ玲心に白蘭は動揺した。


「どうしたの!玲心!しっかりして」


…あの女の死は見る価値もない。


白蘭の無事が保証された。紅蓮は魔帝の元に駆け付けると声をかける。


「父上。平気ですか?」

「紅蓮…来たのか」

「はい」

「戦は?」

「…」

「状況は深刻のようだな…」

「私が魔界を守って見せます」


父上に笑いかけた、その時、氷の剣が飛んできて父の首に刺さった。


「父上!」


なぜだ…白蘭なのか?


後ろを見ると立っていたのは月影だった。