そこで紅蓮は剣を両手から左手に持ちかえる。
そして右手で素早く紅蓮業火を作り出すと結界に放った。
正面からの紅蓮業火に、さすがの月影も耐え切れず吹き飛んだ。壁を突き破ったところで、なんとか止まるも地面に膝をつく。
「「天帝陛下!」」
白豹の二人が声を上げ助けに行こうとしたが香林と朱雀がそれを許さなかった。
「月影…血の盟約など結ぶからだ」
「紅蓮…」
近づくと月影は傷を押さえながら、こちらを見た。
「母上を殺し玲心と共謀した。許されることではない。しかし軍を引くならば…命は取らない」
「…馬鹿か?戦場だぞ。敵は容赦なく殺すべきだ」
月影は嘲笑うようにして紅蓮を見た。
本当は殺したくはない。だが、これも運命だろう。


