「どこに行くのか知らないけれど…私からこれ以上逃げるのは許さない」 氷柱術を用いて氷の弓を作り出し、矢をつがえ鳳凰を打ち据える。 矢は見事に魔帝に当たり鳳凰は円を描いて落ちて行った。それを白蘭も追う。 魔帝が落ちたのは一つの宮だった。 …ここは… そこはかつて八咫烏一族が残虐された宮だった。 これも偶然か必然か。 魔帝は鳳凰の姿から人の姿になると肩に刺さった氷の矢を抜いた。 「…お前か」 「…覚えておいでですか私を」 「ああ」 「あなたがここで私の父と兄と…明明を殺したのよ」