「天界が攻めてくる。奇襲であり先ほど知らせがあったばかり。すぐそこに敵がいる。心の準備もまだのことだろう。」
確かに急なことで紅蓮も鎧さえ身に着ける暇もない。
中には初めて戦に出る者もいるかもしれない。
「しかし!引くわけにはいかん!我々が引けば魔都に住む民の命が、皆の家族の命が犠牲になる!魔界の者として魔宮の者として何としてでも食い止めよ!!!」
「「「おおおおっ!!!」」」
「天界のやつらを打ちのめせ!」
「家族を魔宮を守るんだ!」
魔帝の言葉で兵士たちの士気が一気にあがる。
「そしてもう一つ!この場で皆に知らせておきたい!今ここで魔帝の座を紅蓮に譲位する!!」
「父上!?」
紅蓮が驚きに声をあげた。
「紅蓮は魔界の戦神として数々の偉業を遂げた!そしてその志は常に高く!情に厚く!身分を問わず公平に人を見つめられる!我が息子ながら誇りに思う!!」
「父上…」
実の父に言われ紅蓮は感無量だった。


