天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



「大丈夫よ。私を傷つけられる者はいないわ」

「…そうだな」


天女は古来より尊い存在として傷つければ極刑・天罰がくだると言われている。

そして鬼神は長年戦場で恐れられてきた。

その考えは今も根付き、天女であり鬼神である白蘭を傷つける者はいないだろう。


「私を殺そうと思う人は一人しかいないわ…」


かつて私はその人に殺されたんだもの。


「そんなことはさせない。魔界の鳳凰は私が何としても止めよう」

「…明日は早いからお互いもう休みましょう」

「そうだな」


天后宮に戻り早めに休む。


…明日は紅蓮に会うかもしれない。でも私はもう揺らがないわ。


そう思い決め白蘭は目をつぶった。