3階の一番奥にある生徒会室には今。4人が定位置に座っている。

2つ並べた長机の真ん中、いわゆるお誕生日席には生徒会長の中井戸。その左隣には副会長の会田、その隣は書記の馬場。

そして中井戸の右隣、会田と向かいになる席には私、副会長の新名が。


本来、生徒会は5人だが私の隣が定位置である書記の大和は、掛け持ちしている野球部に顔を出しているため不在である。
そう、全員が揃っていない今日は生徒会の活動予定日ではなかったのに。会長の中井戸に呼び出されたのだ。

そして、当の中井戸は黙ったまま腕を組んで動かない。
急に呼び出しておいてなんなんだ、コイツは。


「会長、急に招集かけてどうしたんですか」


中井戸とは同じ2年A組のクラスメイトだけど、生徒会の会議中は敬語を使うようにしている。
たいした理由はないけれど、そのほうが会議を進行しやすいから。

だっていつものため口だと、すでに暴言のひとつやふたつ吐いている気がする。