「花子」
雑巾掛け、洗濯を終わらせた流は身を持て余していた。
することもなく、縁側に腰かけて足をぶらぶらさせる。
青空を流れていく雲たちを目で追いながらも、考えてしまうのは自分のことだった。
────あとどれくらい持つだろう。
あの日、土方の前で泣いてしまったときから、流はなにも触れていない。
吉原にいたときは苦しくなったりすることはなかった。
つねに対象が用意されていたからだ。
だけどここにいてはもちろん、対象なんて用意されていない。
────どこかで蓄えないと。
手袋をつけた手をぐっぱして、自分の体力を確認する。
指先に力が入りにくかった。
こうなったらあと1日程度しか持たないことを、流は知っていた。



