花笑ふ、消え惑ふ



「迷惑なんかじゃないぞ。なんでも話せ」

「ありがとうございます。じつは……」


先日の永倉との会話を、名を伏せて説明した。


その隊士は稽古の師範を休んでいること。

お酒ばかり飲んでいて身体が心配だということ。

その隊士は、自分は雲になりたいと言っていたこと。


すべて話し終え、芹沢に顔を向けた流はびっくりした。




「え、ねて、寝てる……!?」


なんと芹沢は鼻ちょうちんを浮かべて眠りこけていたのだ。


話し終わったことに気づいたのか、流の視線を感じたのか。


ぱちりと目をあけた芹沢がひときわ大きなあくびをした。




「おお、終わったか。いやすまんのう……近頃寝不足でなぁ」

「寝不足……大丈夫ですか?」


「ふむ。まあ、“まだ大丈夫”だろう」