プレゼントを持つ手に力が入ったのか、綺麗に包装されたそれは、少しくしゃりと歪む。


「キース様……」

「俺はまさかミアが、わざとこの状況を作り出したなんて、ソフィアが倒れるまで気づきもしなかった」

「ギルドを出てすぐに、侯爵家の馬車に気付きました。そして吸い寄せられるように、あの店の中を覗いてしまったんです」


 思い出しながら話し出す私に、キースが私の肩に触れた。そしてもういいと言わんばかりに、首を横に振る。


「本当にすまなかった」

「いえ、もう謝らないで下さい。これを選んでいる姿を見てしまった時、私はまた大切な人をあの子に取られてしまうんじゃないかって思ったんです。でも、キースはずっと私の側にいてくださるんでしょ?」

「ああ、もちろんだ」


 体を引き寄せられ、そのまま抱きしめられる。

 もう疑わない。

 キースのこの想いだけは疑ってはダメだ。

 ミアの言う通り、私はキースの愛が欲しいと思ってしまったから。