今度はちゃんと前を見て、ギルド長の目を見て話す。

 ここまで来たのだ、言いたいことはちゃんと言おう。

 もうこれ以上、恥の上塗りになるようなこともないはずだから。

「確かにそれは有難い話だ。冒険者をケガや歳で辞めた奴らが、荒くれていく姿なんて、仲間として見たくないからな」

「で、どうなんだ、ギルド長」

「魔物の肉ですか? んー、じゃ、いっちょ確認しますか」

 ギルド長は立ち上がると、私たちが来た受付の方へ歩き出す。

 どうやら付いて来いということらしい。

 確認……。

 その言葉に嫌な予感しかしないのは、おそらく私の気のせいではないだろう。

「おーい、この中で魔物の肉を食ったことある奴はいるか?」

 ギルド長は受付嬢の前に立つと、そのまま大きな声でその場にいた冒険者たちに尋ねた。

 明らかにその場にいた冒険者達が怪訝な顔をしている。

 ああ、なんでみんなこうもストレートに聞くのだろう。

 もうちょっと、オブラートに包むという考えはこの国にはないのかしら。

「ギルド長、食うんすか」

「さすが、ギルド長。あの顔は何でも食うな」

「違いない」