「……ちょっと待って」

話を続けようとするエイモンをギルベルトは止める。妖と直接戦うことが困難となったギルベルトは、妖と戦う団員ためのためにいいホテルの部屋を取るようにしている。もちろん、性別なども考慮しているのだが……。

「俺、エイモンとヴィンセントに一部屋、イヅナに一部屋、チターゼに一部屋予約したはずなんだけど」

「えっ?僕が受付をした時、一部屋しか予約はされてなくて、僕とイヅナちゃんとヴィンセントくんの三人で一部屋を使ったよ?」

エイモンの言葉にギルベルトは頭が殴られたような衝撃を覚えた。恋人でも女の子と男の子が同じ部屋など、ましてや女の子一人で男の子二人など、悪い印象しかない。

「エイモン、イヅナに手を出したりしてないよね?手を出してたら犯罪だからね?一部屋しか取れてないって何でおかしいって思わなかったの?何で式神を使ってもっと早く教えてくれなかったの?」

ギルベルトはエイモンの肩を掴み、光のない目で質問をぶつける。エイモンは戸惑った目をし、「えっ?えっ?」と言うことしかできない。