「これ、この前のシャオゴウに潜入した時の報告書ね。チェックお願い」

エーデルシュタイン家の屋敷の一室にて、マオ国から帰国したエイモンがギルベルトに報告書を手渡していた。

「了解、あとで見ておくよ。ところでチターゼの怪我は大丈夫?」

報告書を受け取ったギルベルトは、真っ先に四凶に襲われ、大怪我を負ってしまったチターゼの心配をする。エイモンはニコリと笑った。

「大丈夫!ヴィンセントくんがすぐに病院に連れて行ってくれたおかげですぐに治療してもらえて、一週間入院して今は自宅療養だけど、しばらくしたらまた任務に復帰できるよ」

「そっか、ならよかった」

それからエイモンはマオ国でイヅナとヴィンセントと観光した場所、食べたもの、旅館の従業員になっていたツヤとレオナードの話を楽しげに話し、ギルベルトはそれに相槌を打っていた。しかし、ある話で穏やかな空気は一変する。

「それでね、旅館の部屋も豪華だったんだ。布団も柔らかくて、イヅナちゃんが「起きられるか心配です」って笑ってたよ」