あやかし戦記 愛ゆえの選択

ヴィンセントが提案し、アレンが「いいね!大勢の方が楽しいし」と親指を立てる。チターゼが少し嫌そうな顔を見せたのが見えたものの、イヅナも人が多い方が楽しいと思ったので、二人と一緒に回ることに異論はなかった。



賑やかな祭り会場を、四人は並んで歩く。しかし楽しげに会話をするのは、イヅナとヴィンセント、そしてアレンだけだ。チターゼはどこかつまらなさそうにしている。

「射的でもやらない?くじ引きもいいよね」

アレンが言い、ヴィンセントが「いいですね」と笑う。四人は射的をするコーナーへと向かう。多くの子どもたちが景品を狙って撃っている。

「射的……」

お金を払って射的用の偽物の銃を手にしたものの、イヅナは少し憂鬱な顔をする。射撃はアレス騎士団の入団試験を受けた際、エイモン・ウィーズリーから教わったものの、数ある武器の中で一番扱いが苦手である。

「……」

チターゼが無表情に銃を構え、景品を狙う。そして何発も連続で弾を放つ。弾は景品に次々と当たり、落ちていく。