あやかし戦記 愛ゆえの選択

「イヅナ!!」

「イヅナちゃん!!」

真夜中だというのに大声を出しながら、ツヤとエイモン、レオナードとヴィンセント、そして何故かハオランが部屋に入ってくる。ハオランはレオナードに首に腕を回され、無理やり連れて来られていた。

「やめなさい!何時だと思っているんです?お客様のご迷惑ですよ!」

ハオランがレオナードとツヤに向かって言うが、ツヤもレオナードも無視し、「これは……」と部屋の姿に目を見開く。

「この出血量だと、早く助けに行かないと危険だ!」

エイモンが部屋に飛び散った血を見て言い、ツヤが「止血剤と鎮痛剤はちゃんとあるぞ」と懐から容器に入れられた注射器を取り出す。的確な応急処置、そしてツヤの開発した止血剤などがあれば助かる可能性はある。イヅナの胸に希望と、早く助けなければという焦りが募った。

「でも、チターゼさんがどこに連れ去られたのかわからなくて……」

「大丈夫だよ、イヅナ。チターゼさんの居場所、そしてこの旅館に潜んでいる妖の正体、それならここにいる社長さんが知ってると思うから」