だが、ツヤがせっかく淹れてくれたのだからとハオランは湯飲みを受け取ってお茶を飲む。お茶を飲み始めれば、少し緊張などは薄れるのだ。しかし、心の中にある罪悪感は消えはせず、雪のように積もっていく。

ハオランの手が震え、飲みかけのお茶を落としてしまった。

「す、すまない!」

「いえ、お怪我はございませんか?」

怯え続けるハオランを、ツヤは旅館の従業員ではなく、アレス騎士団の一員の目で見ていた。