「私、中庭をちょっと見てきます」
イヅナはそう言い、お茶を飲んでムースを食べ終わると立ち上がる。そして窓を開けて、そこに置かれていた下駄を履いて中庭を歩く。湿った風が何故か心地よく感じ、目を閉じれば濃厚な花の香りが漂ってくる。
「……綺麗。ずっとここにいたいくらいね」
イヅナは花を見ながら歩いていく。すると、足元に鞠が転がってきた。それをイヅナが拾うと、「それ、あたしの!」と小さな五歳ほどの女の子が歩いてくる。黒く長い髪を下ろし、黒い瞳を輝かせ、白い上着に赤いふんわりとしたスカートが風に揺れる。そして天女のような羽衣を着て、マオ国のお姫様のようだ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
イヅナがしゃがみ、鞠を手渡すと女の子は花が咲いたような笑顔を見せてくれる。とても愛らしい少女だ。イヅナの顔にも自然と笑顔が生まれる。刹那、「こら、ユエ!」と男性の声が響いた。
「お客様、うちの一人娘のユエが申し訳ありません」
白地に赤い刺繍が施されたマオ国の民族衣装を着た男性がユエと呼ばれた少女を抱き上げ、イヅナに頭を下げる。イヅナは慌てて「いえ、可愛らしいお嬢さんですね」と言った。
イヅナはそう言い、お茶を飲んでムースを食べ終わると立ち上がる。そして窓を開けて、そこに置かれていた下駄を履いて中庭を歩く。湿った風が何故か心地よく感じ、目を閉じれば濃厚な花の香りが漂ってくる。
「……綺麗。ずっとここにいたいくらいね」
イヅナは花を見ながら歩いていく。すると、足元に鞠が転がってきた。それをイヅナが拾うと、「それ、あたしの!」と小さな五歳ほどの女の子が歩いてくる。黒く長い髪を下ろし、黒い瞳を輝かせ、白い上着に赤いふんわりとしたスカートが風に揺れる。そして天女のような羽衣を着て、マオ国のお姫様のようだ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
イヅナがしゃがみ、鞠を手渡すと女の子は花が咲いたような笑顔を見せてくれる。とても愛らしい少女だ。イヅナの顔にも自然と笑顔が生まれる。刹那、「こら、ユエ!」と男性の声が響いた。
「お客様、うちの一人娘のユエが申し訳ありません」
白地に赤い刺繍が施されたマオ国の民族衣装を着た男性がユエと呼ばれた少女を抱き上げ、イヅナに頭を下げる。イヅナは慌てて「いえ、可愛らしいお嬢さんですね」と言った。


