その後、スープやパスタなどが登場し、イヅナたちのお腹を満たしていく。どれもとてもおいしく、また食べに来たいとイヅナは思った。今度はツヤやレオナードとも食べてみたい、そんな風に思っているとデザートのティラミスが運ばれてくる。

「わあ!」

甘いものが大好きなイヅナは目を輝かせ、フォークでティラミスを一口食べる。エスプレッソの苦味とカスタードソースの甘味が混ざり合い、頬が緩む。

デザートを楽しみ、店員がコーヒーを運んできたところでギルベルトが口を開く。

「さて、そろそろ任務の話をしようかな」

ギルベルトの言葉に、先ほどから黙っていただけのチターゼの瞳に光が戻る。イヅナたちも緊張感を覚えながらギルベルトを見つめた。

「実は今、ここにいないツヤとレオナードには、東洋にある大国に潜入捜査をしてもらっている。イヅナとヴィンセント、そしてチターゼとエイモンにその手伝いをしてほしいんだ」

「つまり、合同捜査ということですね」

ヴィンセントが言うと、チターゼの表情はまた暗くなる。暗くなるというよりは、不機嫌になったような気がした。