アレンとイヅナが目を輝かせると、ギルベルトが「まだこれからたくさん料理が来るから、食べようか」と言い、楽しい食事の時間が始まる。

このような店で、コース料理を食べるなど経験したことがなく、イヅナはマナーがあっているのかどうか、緊張しながら食べていた。上流階級であるギルベルトはもちろん、エイモンやチェルシーは正しいマナーが身についているのか、綺麗に食べている。

「イヅナ、ちゃんとマナーできてるから安心して食べよう。多分、レオナードが恥ずかしいほどマナーなってないと思う」

ヴィンセントに言われ、イヅナはもしここにレオナードがいたらという想像をして笑ってしまう。きっとレオナードは、一番外側のナイフから使うという最初の段階で大きな失態を冒すだろう。そして、注意されればこう言うに違いない。

「腹に入れば、みんな同じだろ!ルールとかマナーとか、わけわかんねぇよ!!」

ヴィンセントにチラリとレオナードが言いそうなことを言うと、ヴィンセントは吹き出していた。それを、チェルシーたちが微笑ましく見ている。