気づけば君が近くにいてくれた




C&Hがコラボしたカフェは市街地にあるため、ここからは少し距離がある。


電車を乗り継ぎ、1時間ほど。


前回のライブ会場よりは近い距離だ。


いつもは深く帽子を被ったり、マスクをできるだけ上にあげたり、視線を浴びないように、見ないように……と神経を張り巡らせていた。


でも今日はいつもとは違う。


両隣には、香純ちゃんと藤波くんがいる。



「3人でお出かけなんてもう楽しい!」


「初めてだもんね」


「いつもこの道歩くの藤波くんと2人だったからなぁ……やっぱり実桜ちゃんがいてくれる方が嬉しいっ」


「それ、なんかショックなんだけど」


「え、それってまさか私のこと……」


「はっ?絶対それはないから」


「もちろんだよ、そんなのこっちからお断りなんだから!いや、でもそんな勢いよく否定されるとそれはそれで傷つくんですけど」


「ふ、2人ともケンカはっ……!」



夫婦漫才のような会話を繰り広げる香純ちゃんと藤波くんに救われていると思う。


2人と一緒にいると心が軽くなる。


なぜか、外にいることがいつもより怖いと感じないんだ。


不安もあるけれど、安心感の方が大きかった。