気づけば君が近くにいてくれた




その日の夜、久しぶりにゆっくりお母さんとお父さんが眠る仏壇の前で手を合わせた。


何となく、スマホでC&Hの歌も流しながら声をかける。



「お母さん、お父さん。こうしてちゃんとお話するのは久しぶりだね」



もちろん声をかけたって、返事が返ってくることはない。


でも、きっと2人に届いてるって信じてる。



「私ね、大切な友達ができたの。いや、友達って言っていいのかわからないんだけど、一緒にいてとっても楽しいって思えるんだ」



香純ちゃんと藤波くん。


あんなに怖かった学校でさえも、今なら2人に会うために行くことができるんじゃないかと錯覚してしまうくらい。



「だからね、今度友達を連れて来て、お母さんとお父さんに紹介できたらいいな」



お母さんとお父さんは、そしたら安心してくれるだろうか。


ずっと下を向きっぱなしの娘がいるなんて、心配しちゃうよね。



「私、もっとたくさん笑えるようになるから。そこから見ててね?」