気づけば君が近くにいてくれた




びっくりした私の体は、後ろに倒れそうになり、必死に倒れないように堪えた。



「んぐっ……」


「実桜ちゃんの笑顔初めて見たよ!もう、可愛すぎるっ!」



体を解放してくれたと思えば、両手で頬を挟まれて顔が潰される。


香純ちゃんにそう言われて、そっか今の私はそんなに笑っていたのか……って、なんで?


ただ口元が緩んだだけなら、マスクに隠れて見えないはずだから。


そうだよ。


私は今マスク姿なのに。



「マスクしてるのに、なんで……?」



なんか面白くて……自然に笑みがこぼれてしまっていた。


それは事実だけれど、物を透視できる人でないかぎり、それは見えていないはずだ。



「目を見ればわかるよ!笑ったらほら、こんな風に目が細くなるでしょ?」


「あはっ」



自らやって見せてくれる香純ちゃんに、また私は笑ってしまった。


大きくてクリっとした可愛い香純ちゃんの目が、わからなくなるくらい細めて笑って見せるものだから。