気づけば君が近くにいてくれた




「ねぇ、僕のこと忘れてない?」



勝手に盛り上がる私たちに、いつの間にか私の持ってきたコップにジュースを注いでくれていた藤波くんが、ため息混じりに呟いた。


そんなつもりはなかったんだけど……



「……あの、ごめ……」


「いいのいいの!」



謝ろうとした私を香純ちゃんが止める。



「今日の藤波くんはオマケなんだから」


「お、オマケ?」


「本当はね、私だけで実桜ちゃん家に遊びに来て女子会しようと思ってたのに、藤波くんがどうしても一緒に行きたいって言うから」



ニヤニヤとしながらそう言った香純ちゃんに、藤波くんは「おいっ」とツッコミを入れていた。



……え、藤波くんがそんなことを?



藤波くんの反応からして、本当のことらしい。


こころなしか髪の隙間から見える藤波くんの耳が赤くなっているような。



「もしかしたら藤波くん。実桜ちゃんのこと好きなのかもよ?」


「……へっ!?」



香純ちゃんがとんでもない推測を耳打ちしてきて、思わず声が出てしまう。


そんなはずあるわけない。



藤波くんが私を好き?

こんな引きこもりの私のことを?



いやいや、そんなまさかだよ。