気づけば君が近くにいてくれた




あの時のアオイさんの言葉を思い出すだけで、ちょっとだけ強くなれた気がする。


でも、今は逃げ出してきてしまった罪悪感でいっぱいだ。


せっかくアオイさんが背中を押してくれたのに。


静かにため息をついて俯いていると、アオイさんからの返信が来たことを知らせる通知音が鳴った。



《それでもいいんだよ!勇気を出したってことが大事なんだから!頑張ったね、ミオちゃん》



アオイさんと違い絵文字も何も無い私の言葉に返してくれたのは、そんな優しい言葉。


私は逃げてしまったのに、それすらも頑張ったと褒めてくれるアオイさん。


感謝の気持ちでいっぱいだった。



「ありがとう、アオイさん……」



今にも押しつぶされそうになっていた心が、少しだけ軽くなった気がする。


昭子おばあちゃんには、すぐにでも1人になりたくて部屋で寝ると言い残してきてしまったけれど、全く眠くない。



───ああ、いい匂い。



それどころか下から漂ってくる今日の夕飯であろうご飯の匂いがとても美味しそうで、グウっとお腹の虫が鳴った。


お腹すいたなぁ。


そんな欲には勝てなくて、スマホの画面を閉じた私は部屋を出て階段を降りていった。