それは不登校になって学校が嫌になったという話をした時。
《もう学校には行きたくないの?》
行かなくてもいいでもなくて、行った方がいいよでもなくて、私の気持ちを聞いてきた。
そこで初めて考えた。
確かに何もかもが嫌になって学校に行くことはなくなったけれど、学校に行きたいのかどうか。
できることなら私だって普通の生活がしたい。
普通に学校に行って、友達と遊んで、勉強して。
放課後家にすぐ帰らずに、どこかに寄り道して遊んで帰ったり。
ドラマや漫画を見る度に羨ましいという気持ちになる。
あの事件がなかったら今頃、どれほど楽しい時間を過ごしていたんだろう。
そう思うととても悲しくなった。
今の私はずっと部屋に引きこもって、何をしているんだろう。
《できることなら行ってみたい》
考えた末に出した答えを聞いて、アオイさんが私の背中を押してくれたんだ。
嫌になれば逃げ出せばいい。
だから1歩でも、半歩でも、少しだけでいいから前に踏み出してみようって言ってくれたんだ。



