「そこで出会えたこともそうなんだけど、まさかミオちゃんと高校も同じになるなんてね。入学式の日、同じクラスにミオちゃんの名前を見つけて、姿を見て本当に嬉しかったんだよ」



藤波くんが今日一番優しい笑顔を見せる。


でもね、すぐにまた不登校にはなってしまったけれど、あの日高校に行ってみようと、入学式には出ようと思えたのはアオイさんが背中を押してくれたからなんだよ。



「あの日私が学校に行けたのは、本当に藤波くんのおかげだよ。こうして今の私がいるのも、全部ぜんぶ藤波くんのおかげ」



ずっと私は藤波くんに支えられてきた。


ネット上でも、現実でも。


藤波くんは、全てから心を閉ざし光の見えないどん底にいた私に、そっと手を差し伸べてくれた。


私が気がついた時には、藤波くんが近くにいてくれたんだ。



私がまた前に進めたのは……


成長できたのは、藤波くんのおかげだよ。



「本当にありがとうっ」


「僕がミオちゃんの力になれたのなら良かったよ」



その優しさに、その笑顔に、何度助けられただろう。



「ねぇ、藤波くん」


「何?」


「また一緒に学校、行ってくれる?」



私がそう聞くと、藤波くんは目を見開いて驚いて。


そうかと思えば満面の笑みで私を見た。



「もちろん」