「その時はすぐにミオちゃんは行ってしまってクラスも違ったから名前もわからなかったんだけど、あの事件で騒ぎになって、僕を助けてくれたのはミオちゃんだったんだって知ったんだよ」
そっか、藤波くんのことを知らなかったのはクラスが違ったから。
基本的にクラスでの活動が多かったし、通っている児童の多いマンモス校だったこともあって、他のクラスの人まで認識はできていなかった。
でも、私は全国ニュースになってしまうほどの事故に合って、一方的に知られていた。
そうやって私の存在を知った人は、多かったんだろうな。
「ミオちゃんは、幼かった僕にとってヒーローみたいな存在だった。僕もミオちゃんみたいに人を助けられるような強い存在になりたいって思ったんだよ」
「私が、ヒーロー?……強い存在?」
「うん」
藤波くんには私のこと、そんな風に見えていたんだ。
「私は、そんな強い女の子じゃなかったのに。あの日から私はどんどん崩れていった……」
苦しくなって俯く私を藤波くんは優しく背中をさすって落ち着かせてくれた。
「嫌なこと思い出させてごめん……本当はその時、次は僕がミオちゃんのことを助けるんだって決めたんだけど……こんなに時間が経っちゃった」
藤波くんは、申し訳なさそうに謝った。



