気づけば君が近くにいてくれた






小学生の頃の藤波くんはまだ背が小さくて、整列した時には前から数えた方が早いくらい小柄だったらしい。


今からは考えられないくらい元々引っ込み思案な性格だったという藤波くんは、そんな見た目だったこともあってか弱そうに見えてしまっていた。


ある日、体が一回りも大きい高学年の男の子に囲まれて、パシリに使われたり、イライラのはけ口に使われたりと、虐められていた時期があったんだとか。



「そこでね、僕と同い年のある強い女の子に会ったんだよ」


「強い、女の子?」



私が聞き返すと、藤波くんはうんと頷いた。



「僕は本当に気持ちが弱くて、何も言い返すこともできずにただ俯いて耐えていただけだった。でも、その子がズバッと言ってくれたんだよね……やめなさい!って」



昔を懐かしむように、遠くを見て優しく微笑んでいる。


いや、微笑んでいると言うよりは、思い出し笑いかもしれない。



「その子、その後なんて言ったと思う?」



藤波くんにそう聞かれたけれど、私にはわからず、首を横に振った。



「年上なのに弱いものいじめするなんて恥ずかしくないの!?って」



そう言って、クククッと笑う藤波くん。


年上に向かって先生みたいな言い方……その子、かなりの度胸を持ち合わせてる。