「アオイさんって、私……SNSで知り合った……なんで知って……」
頭の中の処理が追いつかない。
ぐるぐると必死に回して、1つの結論にたどり着く。
「もしかして……藤波くんってアオイさんなの?」
藤波くんがアオイさんだったとしたら、私のことを“ミオちゃん”と呼ぶことにも説明がつく。
私が自分の名前を“ミオ”と名乗っているのはSNSだけで、私のことをミオちゃんと呼ぶのは、アオイさんしかいないんだから。
でも───
「私、てっきりアオイさんは女の子だと……」
これはただの偏見でしかないのだけれど、“アオイ”と聞いたら真っ先に思い浮かべるのは女の子だった。
SNSに写真は載っていないし、話している時も僕や俺なんて主に男の子が使う一人称を使っているのも見たことがなかったから、全く疑わなかった。
「そう、正解。そのアオイさんは男だし、僕の名前は藤波 蒼って言うんだよ、ミオちゃん」
そういえば、藤波くんの下の名前は知らなかったかもしれない。
でも、今思い返せば気づける機会もあった。
一度、SNSアプリの機能を使ってアオイさんと電話をしたことがある。
確かに、藤波くんの声は男の子にしては少し高めで、一度だけ聞いたことがあるアオイさんの電話越しの声と似ているかもしれない。
それに確か、藤波くんは学級委員長をしていて、アオイさんも学級委員長になったんだと嘆いていたこともあった。
共通点はたくさん転がっていて、同一人物だというヒントは至る所にあった。
そっか……
ずっと私のことを支えてくれていたアオイさんは、藤波くんだったんだ。
藤波くんは、ずっと私の近くにいてくれたんだね。



